再生医療のメリットは?体性幹・ES・iPS細胞についても解説!

公開日 2024.05.24 更新日 2024.05.24

全身のエイジングケア、健康増進や再生美容への効果が期待され、飛躍的な成長を続けている再生医療ですが、そもそも、再生医療とは何かご存じない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

今回は、再生医療の概要やメリット、再生医療のなかでも特に注目されている体性幹細胞、ES細胞、iPS細胞の3つの幹細胞についても解説します。
「再生医療のメリットを知りたい」「ほかの治療と何が違うのか気になる」という方は、ぜひ最後までご覧ください。

再生医療とは?

 

再生医療は、薬を使わずに患者さまご自身の細胞の力で怪我や病気の治療を目指すアプローチです。

 

細胞の力を身近にイメージできる例として、トカゲのしっぽが挙げられます。
トカゲのしっぽは、切り離されても、しばらくすると新しいしっぽが生えて元に戻ります。
これは、トカゲの細胞に再生能力が備わっているためです。
実は、人間の細胞にもこの再生能力があると言われています。

 

現在、怪我や病気に対しては、義足やペースメーカーなどの人工的な機器、薬をはじめとする化合物による治療が行われるのが一般的です。
それに対して、人工物に頼らず、人間に備わっている再生能力を活かして、怪我や病気、加齢により失われた細胞の機能の自然治癒を目指すのが、再生医療です。

再生医療で注目されている3種類の幹細胞

再生医療になくてはならないのが、人間が持っている「幹細胞」です。
人間の身体を構成する、60兆個もの細胞は、それぞれが十分な役割を果たせるように寿命があり、日々誕生と死滅を繰り返しながら、生体を維持しています。
消滅した細胞の代わりとなる、新たな細胞を生み出す補充の役割となるのが幹細胞というわけです。

 

そんな幹細胞は、分化能と自己複製能を合わせ持っています。
分化能とは、自分とは異なる、さまざまな細胞に変化できる能力であり、自己複製能は、分裂や増殖過程を経ても、同じ特性を維持して複製する能力です。

 

また、幹細胞は、「体性幹細胞」と「多能性幹細胞」に分かれます。
多能性幹細胞は、「ES細胞」「iPS細胞」などの種類があります。
ここからは、幹細胞を活かした再生医療のなかでも、特に注目されている体性幹細胞と、ES細胞、iPS細胞の3つの細胞について解説します。

体性幹細胞

体性幹細胞は、もともと人間の体の中に存在している細胞です。
医療への応用が進んでおり、1970年代から多くの怪我や病気の治療で使用されてきました。
体性幹細胞には、間葉系幹細胞や神経幹細胞、造血幹細胞など、さまざまな種類が存在します。

 

なかでも、体性幹細胞の代表例は、「間葉系幹細胞」です。
種類に限りがあるものの、骨、軟骨、脂肪、神経、幹細胞など、多様な細胞に分化できるといわれています。
骨髄や脂肪から採取できる間葉系幹細胞は、拒絶反応が少ない可能性があり、安全性が比較的高いと考えられています。

 

医療法人社団紘朗会 再生医療部門は、厚生労働省から認められた医療機関として、幹細胞を用いた再生医療を提供しております。*1
幹細胞治療にご興味のある方は、当院までご相談ください。

医療法人社団紘朗会 再生医療部門ではエビデンスに基づいた治療を厳選し、包括的な新しい治療方針で一人ひとりのお悩みに合わせた再生医療をご提供いたします。最良の結果を最適化するために、生物学的同一ホルモン補充療法やペプチド療法などの内服療法と幹細胞療法を組み合わせて使用いたします。

 

*1 出典:厚生労働省

ES細胞

受精卵は胎児になるまでの過程で「胚」になりますが、その胚の中にある細胞を取り出して培養・作製されるのがES細胞(Embryonic Stem Cell)です。
治療においては、不妊治療を受けられている方の同意を得て取り出した、不用な胚を使用します。

 

ES細胞は、前述した体性幹細胞とは異なり、1個の細胞から多様な組織や臓器に分化できる、万能な多能性幹細胞です。

 

ES細胞は発生初期の胚の細胞からつくられるため、受精卵に非常に近い能力を持っていて、私たちのからだを構成するあらゆる細胞へと変わることができます。また、ES細胞は、適切な環境さえ整えれば半永久的に維持することができるといわれています。この維持培地から、神経や血液などを培養する条件に近い環境へ移すと、その環境に応じてさまざまな細胞に分化していくこともわかりました。*2

 

しかし、他人の胚を使用するために拒絶反応を起こす可能性があり、胎児に成りえる胚を使用するため、日本では再生医療に実用化されていないのが現状です。*3
ES細胞を用いた治療を実用化している国もありますが、日本では「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」*4に基づき、ES細胞の使用は容認されていません。
そのため、現在は厚生労働省にて定められた治験のみでの研究を重ねています。

 

*2,*3 出典:再生医療ポータル(再生医療学会の運営サイト)
*4 出典:再生医療等の安全性の確保等に関する法律(公布年月日:平成25年11月27日)

iPS細胞

iPS細胞は、皮膚などから取り出した細胞に遺伝子を組み込むことで、体中の臓器や組織に成長できる細胞です。

 

ES細胞と同じく多能性幹細胞ですが、皮膚や血液など採取しやすい体液から作れる点、拒否反応のリスクが低い点が評価されています。
くわえて、大人の細胞を生まれたばかりの細胞へ逆分化させる機能があると考えられています。
胚からしか採取できないES細胞とは異なり、採取できる範囲が広いので、安定した数の細胞を、患者さまご自身の体から供給することが可能です。

 

ですが、細胞に成長しきれない未分化の細胞が残ってしまうことで、がん化のリスクがあるとも指摘をされています。*5

 

現在の研究ではまだ実用化されていないものの、日本は、iPS細胞の論文数世界2位*6、特許数も世界2位*7の実績を誇ります。
多くのiPS細胞製品について日本で臨床研究が行われていることから、近い将来、日本が世界に先駆けて実用化を推進する可能性があると考えられています。

 

*5 出典:科学技術振興機構 (がん化しないiPS細胞作製に成功 安全な再生医療応用に期待)

*6 出典:2021.3.5 第1回再生・細胞医療・遺伝子治療研究の在り方に係る検討会資料3 P.5(幹細胞研究の高IFの論文数をカウント)
*7 出典:2021.3.5 第1回再生・細胞医療・遺伝子治療研究の在り方に係る検討会資料3 P.24(PCTに基づく特許出願をカウント)

幹細胞を用いた再生医療のメリット

 

研究が進み、新たな結果が発表されるたびに、これまでは想像できなかった、幹細胞を用いた再生医療のメリットが徐々に明らかにされつつあります。

 

幹細胞による再生医療は、脳梗塞や糖尿病、新型コロナウイルス感染症による後遺症などの治療に役立てる可能性を秘めています。
また、再生美容やエイジングケアにおいては全身の幹細胞の数を増やすことで、老化の改善や予防が期待されており、これは一つのメリットといえるでしょう。

 

ここからは、幹細胞を使った再生医療のメリット4点をさらに詳しくご紹介します。

メリット①これまでの治療法と異なるアプローチができる

幹細胞を用いた再生医療では、治療が困難とされていた心疾患や神経疾患に対して、アプローチできるというメリットがあります。
これは、先述したように、幹細胞が分化能と自己複製能とよばれる2つの能力を有しているためです。
損傷した組織の細胞に分化し、自己複製能によって新たな細胞を増殖しつづけることで、組織の再生を促します。

 

また、幹細胞には、体内の損傷した組織に働きかけ、修復していく「ホーミング」という機能や、体内の炎症や痛みを抑えて最適化に寄与する「パラクリン作用」も有しています。

メリット②患者さまへの負担が少ない

幹細胞による再生医療は、拒否反応や副作用のリスク、痛みを伴う可能性が低いと考えられていることから、患者さまへの負担が少ないといえるのではないでしょうか。

 

幹細胞療法は、患者さんから脂肪組織由来の幹細胞を抽出・培養し、静脈注射により体内に戻すことで、体の機能を再生・修復し、損傷した組織を再生して健康状態を改善する治療法です。
人間が本来持っている再生能力を利用するため、一般的に拒否反応が起こる可能性が低いと考えられています。

 

幹細胞治療にご興味のある方は、当院までご相談ください。
医療法人社団紘朗会 再生医療部門ではエビデンスに基づいた治療を厳選し、包括的な新しい治療方針で一人ひとりのお悩みに合わせた再生医療をご提供いたします。最良の結果を最適化するために、生物学的同一ホルモン補充療法やペプチド療法などの内服療法と幹細胞療法を組み合わせて使用いたします。

メリット③さまざまな疾患への治療が期待できる

幹細胞による再生医療は、慢性疼痛と筋肉の緊張、靭帯の捻挫、腱の断裂などの軟部組織の損傷によって引き起こされる痛みの軽減に、特に有益とされています。
治療が期待できる疾患の一部を、以下にまとめました。

 

幹細胞を用いた再生医療によって治療が期待できる疾患(一部抜粋)

  • ・慢性疼痛
  • ・パーキンソン病
  • ・がん
  • ・認知症
  • ・糖尿病
  • ・心不全
  • ・肝機能障害
  • ・変形性関節症
  • ・肝機能障害

 

たとえば、慢性疼痛は、怪我や病気が治癒しても痛みだけが残る、または診察しても痛みの原因がわからない痛みを指します。
痛みの範囲が広く、はっきりしないのが特徴で、一般的に市販の痛み止めを服用するなどの対処療法が取られることが多いですが、幹細胞治療によって根本治療が期待されているのです。

 

ほかにも、幹細胞を膝関節に注入すると、すり減った軟骨が再生され、手術しなくても治癒する可能性があります。
このことから、幹細胞治療は、膝の関節がすり減ることで徐々に炎症が起こっていき、進行してしまう変形性膝関節症に有効だとされています。

 

通常変形性膝関節症の処置として手術療法が行われますが、持病や年齢によるリスクを懸念して、手術を受けたくない方も多いです。
その点、幹細胞治療は一部の場合に手術的な介入を最小限に抑えることが可能であり、海外のスポーツ選手なども取り入れている最先端の治療として注目されています。
初期段階でも、進行する前に幹細胞による治療を受けることで、変形性膝関節症予防の効果が期待できます。

 

このように、幹細胞を用いた再生医療は、慢性疼痛をはじめとする痛みをコントロールし、症状の緩和を図ることが期待されています。
慢性疼痛などの治療においては、患者さま自身の細胞を使うため、拒否反応や感染症にかかるリスクも一般的に低いとされています。

 

幹細胞治療にご興味のある方は、当院までご相談ください。
医療法人社団紘朗会 再生医療部門ではエビデンスに基づいた治療を厳選し、包括的な新しい治療方針で一人ひとりのお悩みに合わせた再生医療をご提供いたします。最良の結果を最適化するために、生物学的同一ホルモン補充療法やペプチド療法などの内服療法と幹細胞療法を組み合わせて使用いたします。

メリット④さまざまな細胞に分化できる

幹細胞の再生医療では、あらゆる種類の細胞に分化できる幹細胞によって、分化前には対応できなかった疾患の治療にも期待できます。

 

分化によって治療が期待できる疾患

  • ・肝機能障害
  • ・変形性膝関節症
  • ・皮膚の損傷治癒促進
  • ・脳梗塞
  • ・脊髄損傷

幹細胞を用いた再生医療は患者さまへの負担が少なく、慢性的な痛みの根本治療が期待できる

本記事では、幹細胞を使った再生医療の概要や効果、メリットについて解説しました。

 

幹細胞を用いた再生医療は、拒否反応が起こる、副作用のリスク、痛みを伴う可能性が一般的に低いと考えられていることから、患者さまへの負担が少ないとされています。
注目されている体性幹細胞、ES細胞、iPS細胞のなかでも、日本で実用化されているのは体性幹細胞による治療です。

 

ただし、幹細胞治療は一般的には安全性が高いと考えられていますが、治療の際に点滴した幹細胞の数が多すぎて、血管を塞ぐといった事例が起こる可能性はゼロではないので、幹細胞治療は必ず信頼できるクリニックで施術してもらいましょう。

 

医療法人社団紘朗会 再生医療部門は、厚生労働省から認められた医療機関として、幹細胞を用いた再生医療を提供しております。*8 幹細胞治療にご興味のある方は、当院までご相談ください。
医療法人社団紘朗会 再生医療部門ではエビデンスに基づいた治療を厳選し、包括的な新しい治療方針で一人ひとりのお悩みに合わせた再生医療をご提供いたします。最良の結果を最適化するために、生物学的同一ホルモン補充療法やペプチド療法などの内服療法と幹細胞療法を組み合わせて使用いたします。

 

*8 出典:厚生労働省

 


①治療方法
ご自身の脂肪組織に含まれている幹細胞を取り出し、培養した上で、患部に局所注射又は点滴にて注入する治療法です。
②副作用リスク
脂肪採取時:内出血、腫脹、術後感染、術後瘢痕、注射部位の痛みなどを伴う可能性。
幹細胞投与時:注射部位の痛み、アレルギー反応、肺塞栓などを伴う可能性。
③連絡先
医療法人社団紘朗会 再生医療部門
東京都港区南麻布4丁目14-6 プレシャス18 5階
TEL:03-6277-4650
④費用
本治療は保険適用のない自由診療となります。税込み165万円程度(診断により変動する可能性があります)。
詳細はご相談ください。
⑤入手経路
幹細胞は提携CPCにて培養いたします。
⑥効能に関する国内の承認機器・薬剤の有無
効能に関する国内の承認薬剤はありません。
⑦安全性に関する諸外国の情報
安全性に関する諸外国の報告はありません。
※重大なリスクが明らかになっていない可能性があります。
⑧未承認である旨
この治療で使用される薬剤は医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認薬です。
⑨未承認薬・機器
未承認薬・機器には、公的救済制度(医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度)の適用はありません。