関節症の症状を解説!根本治療が期待できる幹細胞治療とは?
関節症は、世界中で多くの方が悩んでいる症状です。 代表的な変形性関節症にいたっては、5億2,000万人を超える患者が世界各国に存在するといわれています。*1 本記事では、関節症の症状や原因を解説したうえで、根本治療が期待できる幹細胞治療の概要にも触れています。 *1 出典: Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study(GBD) 関節症とは 関節症とは、関節から生じる痛みや症状の総称です。 主な種類としては、変形性関節症と神経病性関節症が挙げられます。 アメリカに本社を持つグローバルなバイオ医薬品企業のMSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA)によると変形関節症と神経病性関節症について以下の言及がされています。 変形性関節症は軟骨と周囲の組織の損傷を引き起こす慢性疾患で、痛み、関節のこわばり、機能障害を特徴とします。 (引用元:MSDマニュアル) 神経病性関節症は進行性の関節破壊を原因とし、この関節破壊は、しばしば急速に進行し、患者が痛みを感じず関節の損傷が続くため関節の損傷の初期の徴候に気づかないことによって発生します。 (引用元:MSDマニュアル) なお、アメリカ国立医学図書館の医学主題標目MeSHでは、炎症を伴うものをArthritis(関節炎)と定義しています。*2 *2 出典:MSDマニュアル家庭版「変形性関節症」 MSDマニュアル家庭版「神経病性関節症」 *2 出典:MeSH「Arthritis」 関節症の症状 関節症は、種類によって症状に違いが見られます。 たとえば変形性関節症では、痛みや腫れ、関節水腫、関節の変形や可動域制限などの症状が現れます。*3 変形性関節症の主な症状 症状 特徴 痛みや腫れ 主に背骨、股関節、膝の関節などで生じる 関節水腫 関節に水分が溜まる 関節の変形 関節に負荷がかかり、変形する 可動域制限 関節の動く範囲が狭くなる 変形性関節症の場合、初期症状では動いたときに痛みを感じる程度ですが、症状が進行するにつれて、階段の上り下りが困難になるなど、日常生活に支障が出ることもあります。 *3 出典: 公益財団法人日本リウマチ財団 関節症の原因 関節症を発症する原因には、多種多様なものが考えられます。 そもそも関節という組織は、体を動かすために刺激を受けることが多く、痛みが生じやすい部位です。 そのため、体重の増加や加齢といった要因により、負荷がかかることで関節症を引き起こします。 ほかには靱帯や腱、筋肉など、関節外の構造に問題がある場合や、糖尿病や脳卒中といった基礎疾患の結果として生じる場合もあり、発症の原因は実にさまざまです。*4 また、関節症のなかには原因を特定できないものも多くあり、たとえば一次性変形性関節症がこれにあたります。*5 *4 出典:MSDマニュアル家庭版「関節痛:多数の関節」 出典:MSDマニュアル家庭版「神経病性関節症」 *5 出典:MSDマニュアル家庭版「変形性関節症」 関節症には幹細胞治療が期待できる 現在行われている関節症に対する治療法には、薬物療法や手術療法が挙げられます。 しかし、関節症に悩まれる患者さまのなかには「薬物療法では十分な効果が得られないものの、手術療法に踏み切るのは抵抗がある」という方もいらっしゃいます。 そのような場合に第三の選択肢として注目されているのが、幹細胞治療です。 ここからは幹細胞治療の概要や、関節症に作用する仕組みを解説します。 幹細胞治療とは 幹細胞治療とは、患者さまから採取した幹細胞を用いる再生医療のことです。 幹細胞は、損傷を受けた組織の機能を改善するために、細胞を修復し再生する能力をもっています。*6 幹細胞治療では、患者さまご自身の脂肪組織から採取した幹細胞を培養し、点滴、局所注射などによって、体内に投与します。 その結果、損傷した細胞や器官の再生と修復、さらには身体能力のパフォーマンス向上が期待できるというわけです。 *6 出典:日本再生医療協会 幹細胞治療のメリット 幹細胞治療の大きなメリットの一つは、これまで難しいとされてきた、多くの病気の根本治療が期待できるところです。 従来、糖尿病や心臓病、高血圧などの病気は、医療が発達した現代においても完全に治すことが難しく、発症しても症状を和らげる対症療法を施すしかありませんでした。*7 しかし、幹細胞のもつ自己複製能と分化能にかかれば、幹細胞がさまざまな細胞に複製、分化し、体の機能の回復が期待できます。 自己複製能とは、自己と同じ能力をもつ細胞に分裂できる能力のことで、分化能とは、皮膚や赤血球、血小板など、さまざまな細胞を生成する能力のことです。*8 また、幹細胞治療では、患者さまご自身の細胞を用いることから、安全性が高いと考えられている点も魅力です。*9 生物学的同一ホルモン療法やペプチド療法などの内科療法と組み合わせることで、患者さまの転帰を最適化し、健康状態を向上させることが期待できますが、採取する細胞の種類により分化する細胞も異なります。 なお、幹細胞を用いる再生医療は、厚生労働省が認めた特定認定再生医療等委員会によって、その治療の妥当性・安全性・医師体制・細胞加工管理体制が厳しく審査されます。 これらが適切と認められることで初めて、再生医療の治療を実施することが許可されるのです。...
2024.08.21